おはようございます。しんのすけです。
昨日まで佐賀県のとある撮影スタジオに行っていました。みつさんの記事でも少し前に扱っていたこのスタジオです。
このスペース、もともとレンタル撮影スタジオとして別の方が運営していたのですが、3月からそのままみつさんの会社が運営を代行することに。
だけどぼくもみつさんも実物をみるのは初めてで、TwitterやHPで写真を見た程度。
なので今回は訪問して、実際に撮影スタジオとしてやっていけるのか確認、また掲載用の写真撮影や、運営準備など行なってきました。
この記事では訪問時に気づいたことや感じたことを中心に、今後の展望などについてもお伝えします。
撮影スタジオに興味がある方にはぜひ読んでいただきたい内容です。
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▼初見の印象
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JR久留米駅から車で8分、周辺は閑静な住宅街。住むためには車が必須の田舎にその撮影スタジオはありました。
庭は荒れ放題で、もはや廃墟と呼べるような状態。
建物の外観には大きなダメージはなさそうなものの、このツイートにある写真とは大きく違う印象。
建物内に入った瞬間の印象も同じような感じで、やや薄汚れて埃っぽい。
もし自分が住むための物件探しでここを訪れたとしたら、まちがいなく「ここはハズレ。思ってたのと全然違う」となったはず。
しかしぼくは「けっこう面白いかも」と可能性を感じていました。
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▼レンタルスペースの成功条件
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場所が良いわけではなく、物件の状態も良くない。
みつさんの発信でもこれまで散々、レンタルスペースを成功させるためには場所が重要、清潔さやクオリティが大事と伝えてきました。
その条件当てはめると、レンタルスペースとして成功するのは難しいような気がしてしまいますよね。
ではなぜ、今回訪問した佐賀のスペースに可能性感じたのか。
当然ですが、なんとなくの感覚というわけではなく理由があります。
①撮影スタジオであること
②運営代行であること
いくつか浮かびましたが、その中でも特に大きいと思えるポイントが上の2つ。具体的に解説していきます。
まず1つめの、
①撮影スタジオであること
について。
仮にこのスペースをパーティースペースとして売り出すとしたら、なかなか苦労するでしょう。
理由としては先ほども書いた通りで、駅から遠く物件の状態も良くないから。
JR久留米駅は新幹線が停まりますが、乗降客数は5,400人ほど。大きな駅とは言えません。
その駅から車で8分、徒歩だと48分もかかります。
実は最寄駅は他にあり、それでも徒歩30分。乗降客数は600人とさらに小さな駅。この立地の時点でパーティーだと苦労するのは目に見えます。
さらに物件自体が掲載写真よりもくたびれた感じなので、たまたま使ってもらったとしても満足度はかなり低いでしょう。
そこへきて佐賀ではレンタルスペースの数自体がめちゃくちゃ少なく、認知度も最低クラス。
やってみないとわかりませんが、通常のパーティースペースとして売り出したとしたらかなりの苦戦が予想できます。
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▼撮影スタジオの特性
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ではなぜ撮影スタジオだとそんな物件でも可能性があるのか。
それには撮影という「文化」が関係しています。
ぼくがこれまで見てきた撮影スタジオの多くは、街のど真ん中ではなくやや郊外にあり、利用するお客さんのほとんどは車で機材を持ち込みます。
つまりレンタルスペースの中でも撮影スタジオに関しては、レンタルスペースの成功条件である駅近・街中をそこまで気にする必要がないわけです。
近年は撮影向けのレンタルスペースが増えていますが、そもそも撮影業界ではまだまだレンタル撮影スタジオは一般的ではありません。
今後もっと同様のスタジオが増加し一般化したとすれば、他ジャンルのレンタルスペースと同じように駅近物件じゃないと勝てなくなるという可能性も出てきますが、それはまだもう少し先の未来で今ではありません。
もう1つ、写真で見るより実物は残念だった件。マイナス要素に感じますが、考えようによってはプラスに取ることもできます。つまり「実物より映える写真が撮れる」ということ。
パーティー利用だとその場を楽しむことがメインなので、掲載写真よりスペースがショボい場合、ただただ残念です。
しかし撮影だと写真や動画のクオリティがメイン。実物より良く見せられるのはプラス要素なんです。
だからと言って汚れていたりくたびれている状態が喜ばれるわけではないので、スペース自体の品質管理もやはり大切にする必要はあります。
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▼運営代行のメリットは?
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2つめのポイントも忘れてはいけません。
②運営代行であること
運営代行の形も色々あるかと思いますが、今回は成功報酬をいただく形で話がまとまっています。
このスタジオは一軒家で、建物内外のほぼ全体を撮影スタジオとして使用できます。
通常レンタルスペース運営を自分で行う場合、自分たちで賃貸物件を借りるのが一般的。
たとえ場所が田舎であっても、このサイズ感の物件を借りるとなればそれなりに費用がかかります。
レンタルスペースの最大のリスクが家賃(固定費)。
もしお客さんが入っていても、売上が家賃などを下回れば赤字です。
ポータルサイトの手数料も割合としては大きいですが、それを含めて考えても固定費をできるだけ抑えるのが勝てるレンタルスペースの鉄則。
成功報酬型の運営代行では、家賃がかからず代行側のリスクは限りなくゼロに近づきます。
極端な話、売上がゼロだったとしても赤字にはなりません。
だからと言って売上を伸ばせなければ報酬もゼロなので、そこは頑張る必要がありますけどね。
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▼結論、だから面白い
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ここまで佐賀の撮影スタジオの可能性について、運営代行の立場で書いてきました。
だけど最後にもう1つお伝えしたいことがあります。
実はこの撮影スタジオ、元々はオーナーさんの私邸でした。
今はドイツに住んでいるため撮影スタジオとして貸し出していますが、内装や家具、小物にいたるまでほとんどが住んでいた時に揃えたもの。
つまり住居として使う空間をこのインテリアにしていたということです。
ここにずっと住むのは、なかなか普通の感覚じゃないですよね。
完全にオーナーさんの好みでデザインしているらしく、写真には写っていない物置部屋には、この世界観の小物や衣装がさらに溢れかえっていました。
おそらく初めから人に貸そうと作ったのではなく、単に好きなものを集めまくった結果、撮影スタジオができちゃったパターンだと思っています。
このスタジオがどれだけ稼いでくれるかはまだわかりませんが、みつさんだって写真を見て可能性を感じたので運営代行に名乗りを上げたはず。
今後すごい収益を生み出すことだって十分にあり得ます。
半分ぐらいはぼくの想像ですが、周りが引くぐらいオーナーさんが趣味に没頭したからこそ、今回のようなビジネス形態が生まれました。
もし中途半端に空気を読んだ空間なら、みつさんの目に留まることもなかったでしょう。
今回は「引かれるぐらい好きなものを集めた結果」ということでスタジオオーナーさんのお話をさせていただきましたがいかがだったでしょうか。
人から理解されなかったとしても、振り切れば武器となり、一周回って周りを認めさせる。面白いなと感じた夢のあるお話でした。
近いうちに撮影してもらった掲載用の写真も公開できると思うので楽しみにしていてください。夜の不気味な写真が撮れたのでとりあえず1枚載せておきます。